最近、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を観ている。
小さい頃からずっと「兵器」として生きてきた少女が、「愛してる」とは何なのか知りたいと思うところから物語が始まる。
尊敬する人物から「愛してる」という言葉をかけられたことにより、少女の中に「愛」という概念が生まれたのだ。

私が心理学を学んだ母校・神戸メンタルサービスの代表の言葉に「人は愛されたようにしか愛せない。」というものがある。
この言葉を初めて聞いた時、「愛されたことのないお前には、他人を愛することなどできない」と断定されたように感じて、少し心が傷ついた記憶がある。

私自身、過去に「愛し方が分からない」と悩んだ時期があった。
愛すべきことは分かるのだけど、愛するとはどういうことなのかさっぱり分からなかったのだ。
お手本がない、そんな感じ。

「愛されたことのない人間は存在しない。」これもまた真実だろう。
産んでもらったこと、ミルクを与えてもらったこと、衣食住を与えてもらったこと、学費を出してもらったこと、それらは全て与えられた愛である。
しかし、これらの事柄を愛された証とするのは、あまりにも次元が低すぎるという思いもある。
こういうことを愛された証とするしかないほど、自分は些末な存在なのかと思うと、それはそれで切ないものである。

「与えてもらいたかったけれど、与えてもらえなかったもの」そこにフォーカスするのが良いのかもしれない。
与えられていないにも関わらず、与えてもらいたかったということは、生まれながらに知っていた愛し方だということ。

与えてもらいたいものを与えてもらえなかった経験は、強い痛みを伴うので、覚えていないことが多いのかもしれない。
そこの封印を解いて、愛を知っていた自分に出会う作業が、愛を思い出すことにつながっていくのではないかと思う。

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カウンセリングサービス所属 心理カウンセラー
渡邊 睦代丨Watanabe Mutsuyo

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